離乳食の卵の話
よく卵食べさせたら数時間後に吐きました!アレルギーですか?血液検査してもらったほうがいいですか??って聞かれるけど卵のアレルギーは即時型がほとんどなんだなぁ。。
ただ最近は鶏卵の卵黄での消化管アレルギーで嘔吐だけっていうのも報告されているから難しいよね。
多くは摂取後から30分以内に口→顔→全身にあれよあれよとじんましんが広がります。
それよりも症状が重くなるとさらに咳とか出たり嘔吐する。まぁ見るからにやばいって気づくレベル。そうなったらもう救急車ね。
たまに非典型で上記の症状じゃない人もいるけど1回なっただけではアレルギーの判断はしなくて、その症状に再現性があるかどうかが血液検査なんかでアレルギー見るよりも大事。再現性っていうのは同じように食べた時に同じような症状が出るかっていうこと。
不必要な検査によって逆に不安を煽られたり必要のない除去をさせられたりしてるひともちらほら。。
アレルギーがあっても食べられているなら必要最低限にしか除去しないのです。特に卵とかは調理法によってかなりアレルギーの出やすさが変わるしね。
あ、ちなみに卵ボーロからやる人いるけどそれはめっちゃ危ないよ。
ちょっとここで卵の話↓
卵は卵黄より卵白の方がアレルギーが出やすいです。
なので卵アレルギー=卵白アレルギーだと考えます。
そして生に近ければ近いほどアレルギーが出やすいです。
卵白に含まれる主なアレルギー物質のオボアルブミン(54%)オボムコイド(11%)は加熱によりアレルギー性が低下します。
だから固茹で卵よりも加熱時間の短い炒り卵や卵とじとかはアレルギーが出やすいのです。
茶碗蒸しとか卵焼きも加熱時間が短いから出やすい。マヨネーズ、アイスもね。ティラミスなんて生卵使ってるよ。
軽い気持ちで舐めさせたアイスでアレルギー出ちゃうとかわいそうなのでご注意を!
そして小麦と調理されてくっつくとオボムコイドのアレルギー性が10分の1にまで弱まる。
ビスケットとかクッキーはアレルギー出ないのに卵ボーロを食べたら派手に出る子がいます。
なぜかというとボーロは小麦粉じゃなくてじゃがいものデンプンを使っているから。小麦を使ったものに比べてアレルギー性が弱まっていないというカラクリです。
これもうちらの親世代は赤ちゃんのおやつ=たまごボーロ!的な人が多いので本当に気をつけたい。
そして今更だけどたまごの安全な与え方は、、、
沸騰してから20分茹でた固茹で(生卵を100%とするとオボアルブミンのアレルゲン性が0.01%以下まで低下する)の卵を熱いうちにすぐに剥いて卵黄と卵白を分けます。
なぜすぐに卵黄と卵白を分けるかというと卵白のアレルギー物質のオボムコイドは水溶性なので放置しておくとどんどん卵黄に移行してしまうのです。
卵黄にはこのアレルギー物質はほとんど含まれていないので初めての卵は卵黄からあげましょうーと言われるのです。
もしね、アレルギーが出たとしても主治医と相談の上でアレルギーがここまでなら出ないぞ!っていう量を少しずつ長い期間食べさせてると経口免疫寛容っていって体が少しずつ慣れていくのです。
それをアレルギー=完全除去としちゃうと体が慣れる機会がなくなって逆に過敏に反応するようになっちゃうからね。不安な気持ちだけで不必要に除去したり食べさせるのを遅らせたりしないでねー。
多くの卵アレルギーは年齢とともに治っていくよー。
そしてアレルギー食材を食べて消化管から吸収されるアレルギーの元(抗原)よりも、荒れたお肌(傷のある皮膚)から侵入する抗原の方が食物アレルギーの原因の一つになることが研究でわかってきてるからスキンケアが大切。
もしお肌が荒れていたら離乳食始める前とかそっちの治療を優先したほうがよいかもだから小児科で相談してくださいませ!
離乳食を食べさせる時は口周りを中心とした顔、食べ物に触れるであろう両手にこれでもか!っていうくらいワセリンを塗りたくってお肌をガードしてから食べさせてくださいなー❤︎