おばあちゃんの豆餅の話
私、おばあちゃんっ子なのです。
親に与えてもらったものとか環境にもちろん感謝しまくりだし今でも実家loveだけどね、おばあちゃんが私に与えてくれた全てが本当に強烈に残っていて私の人格とか今の私を作り上げてるって言っても過言ではないのですよ。
体験は最高の教育
この一言に尽きる。
なーんでもやらせてくれるの。
実家からは車で3時間近くかかる山奥に住んでるから盆と正月とGWくらいしか行かなかったんだけどね。
行けば縫い物、山登り、川遊び、化石取り、農業、五右衛門風呂の湯沸かし、料理に至っては餅つき、うどんうち、蕎麦打ち、よもぎ取りからの草餅作り、こんにゃく作りなどなど。
温泉の楽しみ方、人との付き合い方、お散歩の楽しみ方数え切れないくらいのことを教えてくれたんだよね。
おじいちゃんにも大工仕事や渓流釣りを教えてもらったり。
最高に甘やかされてた孫です。
そしてものすっごく何やっても褒めてくれる。
褒めるのがとにかく上手い。
「何やっても器用だ」「いやー、おばあちゃんより上手だ、筋がいい」
そんな褒め言葉のシャワーを惜しげもなく浴びさせてくれる最高の環境で育ったんだよね。
高校で吹奏楽で全国行ったら遠いのに現地まで応援に来てくれたし。
看護学校入っても褒めてくれるし
大学編入して大学入っても褒めてくれるし
大学院行っても褒めてくれるし
結婚してもいい旦那さん見つけたねって旦那まで褒めてくれる。
そんなおばあちゃん、数年前から認知症がすすみ結構荒い人格になっていくタイプで暴言とか吐くようになったりして。
さらには脳疾患もやってしまい今は施設暮らし。
私のことも分からなくなっちゃってる。
コロナでもう2年以上会えてないんだけど(;_;)
あいまいな別れってやつです。
目の前にいても空を掴むような感じ。
知ってる人なのに知らない人みたいなの。
でも与えてくれたものは私の中に確実にある。
ふと年末に「ああ、おばあちゃんの豆餅食べたいなぁ」って思ったんだよね。
不思議でさ、なんとなく作り方とかわかるんだよね。ずっと見てたし食べてたし。
ホワッとした記憶を頼りに父親にもちょっと確認したりして材料揃えて作ったのよ。
そしたらちゃんとあの時のあの味だった。
父親にも半分分けてあげたら旨いって。
うちの父は本当に褒めることを滅多にしない人なのよ。ツンデレが過ぎるのか、、、
そんなおばあちゃんの豆餅を私よりもずっと食べ続けてた父が言った旨いの言葉にはなんか哀愁と重みを感じたなぁ。
歳を重ねると色々あるけど
幼き日の何気ない日々も
ワクワクするような体験も
きっとずっとともに生きていってる。
だから私も子どもたちには最高の体験をたくさんさせてあげたい。
そしてたくさん褒めてあげたい。
そんなことを豆餅を作りながら思ったのでした。